1.診断を受け入れられない
診断を医師から告げられた時に貴方はそれを受け入れられなかったことがありますか?私は、双極性障害Ⅱ型の診断を受けた時に、とてもそれを受け入れることが出来ませんでした。
何故ならば、躁の状態に心当たりがなかったからです。高価な品物を爆買いしたり、誇大妄想があったり、性的に逸脱しした行動が自分には思い当たりませんでした。
私は躁鬱病と呼ばれる病に対しては、なんとなくの知識はありましたが、双極性障害Ⅱ型に対する知識は、まるでありませんでした。また、双極性障害Ⅱ型の診断を受けた時に双極性障害のパンフレットを主治医より頂きましたが、自分に当てはまらないと思いました。
納得いかないので、周囲の親族、友人にパンフレットを読んでもらい私に当てはまるのか聞いて周りました。(^_^;)
そんな事をするから周囲も「当てはまらないね」としか言ってくれませんでした。(笑)
しかし、その後に自分は双極性障害Ⅱ型なんだと理解できるきっかけになったのが、Youtube動画での双極性障害Ⅱ型の解説だったのです(精神科医 松崎朝樹の精神医学)
精神科医の先生が解説中に「双極性障害のⅡ型の方は軽躁鬱鬱鬱鬱鬱鬱病って感じで、ほぼ鬱の状態のことがあります」という言葉で腑におちました。
なるほど、私の今日は調子が良いと思っている状態は軽躁状態なんだ。そして、軽躁の後は、ほぼ鬱状態なのだと理解できたのです。
2.病を受けいれないことはダメなことなのか
皆さんはエリザベス・キューブラー=ロスという方をご存じでしょうか?『死ぬ瞬間』(1969)の著者で、その本で「死の受容のプロセス」という「キューブラー=ロスモデル」を発表しました。
キューブラー=ロスモデル
- 否認・隔離:自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。
- 怒り:なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階である。
- 取引:なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態である。
- 抑うつ:なにもできなくなる段階である。
- 受容:最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である。
上記は死の受け入れについての過程です。では慢性疾患の病の受け入れではどうでしょうか。慢性疾患でも、この5段階に似たかたちですすむと言われています。
ですので、今貴方が、もしも診断に対して否定したり、怒りを感じていても良いのです。それが普通で自然なことなのです。でも、受け入れられないまま、怒りや否定でとどまることはしないで欲しいです。次の受容のステップに移行して欲しいと私は切に願います。
3.受け入れることは諦めることではない
病を受け入れると、もう結婚できない、もう正社員でいられない、もう甘いものが食べられない。色々と考えてしまい、色んなことを諦める人生を選ぶことになると感じていませんか?
医療従事者の方は糖尿病の患者さんに対して、「決して甘いものを食べてはいけないのではない。食べる量を気にして欲しい」と。また、透析をすると正社員で働けないのではと不安に感じている腎不全の患者さんに対しては「透析をしていても正社員で働いている人はいます」と。
病を受け入れることは、これまでの自分を変える勇気を持つことなのではいでしょうか。これまでと違って少し甘いものを減らす。これまでと違ってお薬をのむ。これまでと違って少し運動をしてみる。これまでと違って、疲れた時は仕事をしない。
人間は慣れた習慣から離れることに対して、とても恐怖を覚えやすいものです。現在、放映中の火曜ドラマ『ファイトソング』では、今後脳の手術で音が聞こえなくなるのが不安なヒロインが描かれています。でも、難聴の素敵な女性と出会って、これまでの音の無い世界が少し不安が和らいだようです。同じ疾患を持つ人との出会いは、病を受け入れる出助けをしてくれ、また変化する勇気を持てるようになるかもしれませんね。そういった意味でも患者会等は良いと思います。
最後に、アメリカの神学者のラインホルド・ニーバーの詩をご紹介したいと思います。
ニーバの祈り
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。大木英夫 訳
変えることのできない、完治のできない病に対しては、過去を悔やんで過ごすのではなく、変えることのできる食習慣だったり、療養生活を創意工夫して生きていければ良いですね。しかし、そういう私もまだまだで、双極性障害と更年期に振り回されまくっています。(笑)
このサイトを機に皆さんと是非仲良くなり、私も療養していきたいと思います。それでは、今日はこの辺で失礼します。
少しでもこのブログを読んで楽になる方がいっらしゃればと願っています。
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