1.難聴とは
難聴は、健康な人に比べて音(或は言葉)が聞こえにくいことです。なので、全く聞こえない聾の方とは区別されます。
難聴には、先天性難聴、他の疾病に起因する難聴、薬物性難聴、原因の分からない突発性難聴等、様々です。また、難聴人口で一番多いのは加齢に伴って進行する老人性難聴です。
2.難聴の分類
難聴の分類には二通りあります。一つめは障害器官の違いによる難聴の種類で分ける方法、二つめは聴力の度合いにより分ける方法です。
【障害器官の違いによる難聴の種類】
1.伝音性難聴
外耳(耳介&外耳)と鼓膜及び中耳の障害、つまり音を神経まで伝達する器官の障害による難聴です。例えば中耳炎などによる難聴はこれに当たります
2.感音性難聴
内耳又は聴覚神経に障害があり難聴となるもです。この難聴は、現在の医学では治療が困難で、補聴器による改善は可能ですが、伝音性難聴ほど簡単ではありません。
3.混合性難聴
伝音性難聴と感音性難聴の両方を併せ持っているのが混合性難聴であり、どちらの度合いが強いかで補聴器の効果に大きな差があります。
私は、小学校2年生の時に学校の聴力テストでひっかかりました。色々と調べましたが、結局原因が分からずじまいで、結局内耳のどこかに原因があるのだろうと言われました。なので、私は感音性難聴です。
【聴力による難聴の分類】
1.軽度難聴
聴力が25dB〜39dBであり、補聴器無しでも生活への支障はそれほどありません。しかし「ささやき声や、小さな音を聞き取れないときがある」「普段から聞き間違えたり、聞き返すことが多い」「会議などで聞き取りがつらい」「家族からテレビの音が大きいといわれる」等、健康な耳の人とは明らかな違いがあります。
2.中等度難聴
聴力が40dB〜69dBであり、補聴器無しでは生活にかなりの支障があります。特徴としては、対面でも聞きづらさが強くあります。さらに、離れたところからの音や声にはかなり気づきにくくなります。
3.高度難聴
70dB〜89dBが該当し、補聴器を使っても通常の会話は困難です。そのため高度難聴以上の多くの方が手話を使われます。症状例としては、「車がそばにこないと気づかないときが多い」「耳そばで大声で話してもほとんど聞こえない」等です。
4.重度難聴
90dB以上の難聴ですが、一般的には聾に分類されます。言葉の聴き分けは殆どできませんが、補聴器を使えば音があるかないかの判別は可能な場合も多く、重度難聴と呼ばれたりします。
3.私のいる中等度難聴の世界
おそらく、聞こえに対して日常生活に問題のない方の場合は、中等度難聴というものが理解出来ないのではないでしょうか?かくいう私も、説明を求められると困難で、私はこの音が聞こえづらいと他人に説明ができません。
私は、低音から高音がまんべんなく悪いのではなく、低音が健常者の平均より良く、高音が非常に聞こえにくい。総じて、聞こえが悪いという中途半端な聞こえ方になっています。
なので、耳鼻科の先生に言わせると補聴器には不向きな難聴者なのだそうです。
補聴器は、全体的に低音から高音までを聞こえを良くする傾向にああります。なので、補聴器をつけると何も無くても聞こえている重低音が、より聞こえるように強化され、かえって高音域が消されて聞こえなくなるのです。この話しは、また補聴器の話しの時にしますね。
では、結局、中等度難聴者が何に困っているのかというと
- 加藤さんか佐藤さんか分からないといった、聞き取りが苦手である。電話や接客が怖い。
- 「●∇¥◾%@#をとってくれる?」といった、大切な指示が分からない。何をとるの?
- 聞きとれずに何回も聞き返すと嫌な顔をされる。なので、聞き返す勇気がなくなる。
- 後ろから声をかけられても聞こえないので、知らんぷりしていると誤解され心証が悪くなる。
- 家庭内でも聞き取れずに親族に嫌がられる。
- 口頭で指示を受けて仕事をすることがとても困難。なので紙での指示があると嬉しい
- 相手の話を聞いている時は、頭をフル回転させています。聞き取れない箇所を文章の前後から推察し、きっとこんなことかな?とまるで英語の長文読解をするように想像しながら話しています。
- 内緒話しは全然できません。
私は幼い頃から難聴があるので、もう聞き返して嫌な顔をされるのが本当に嫌なので何回も聞き返しません。心が折れました。また、子供の頃から実の母から「勝手つんぼ」と呼ばれ悲しい思いをしてきました。実の母にやっと難聴が間違いないのだと認めてもらえたのが30歳過ぎてからでした。本当に長かった。
身内が難聴者だと私のことを知っていても、聞き返すと嫌な顔をされたり、「もういいわ」と言われるのが本当に辛いです。
4.中等度難聴者からのお願い
この世は聞こえて当たり前の世界ではありません。目が不自由な人、足が不自由な人、手が不自由な人、色んな人がいてこの世の中は成り立っています。眼鏡をかけるように、補聴器をしている人もいます。また、難聴でも補聴器が合わなくて補聴器をしていない私のような人もいます。聞こえているようでも全ては聞き取れていない中等度難聴者がこの世にはいます。そのことを皆さんにも知って欲しいです。
我々、中等度難聴者は大切な部分の言葉が分からなかったりします。聞き返しても気分を害さないでください。お願いします。
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