療養生活中のライフイベントとストレス強度

ストレス療養生活
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1.自分の現在のストレスを数値化してみる

ストレスを受ける女性

療養生活をおくると、経済的変化、退職、復職、職場の移動等様々なストレスとなるライフイベントが私たちを襲ってきます。健康な人でも様々なストレスを抱えると心身の不調をきたすことがあります。尚更、我々療養中の人間にとってストレスは大敵です。今回は、現在自分が抱えているストレスを客観的に数値化して自分で知ることについて話してみたいと思います。

2.ホームズとレイのストレス度表とは

ライフチェンジイベント

心理学者であるホームズとレイは、人生で起こるさまざまな出来事(=ストレッサーになり得る出来事)とストレス過程との関係を研究し、患者たちが病気を発症する前に人生における重大な変化、すなわちライフイベントを経験していることを明らかにしました(Holmes & Rahe, 1967)。

彼らは、5,000人の患者を対象に過去10年間にわたる生活上の重大な出来事(ライフイベント)について調査を行いました。具体的には、「結婚」によるストレス度を50点としたときに、その他の項目について個人が感じるストレスの程度を0~100点の範囲で自己評価させ、項目ごとの平均点を算出しました。

研究の結果、1年間に経験したイベントの合計点が300点を越えた人の79%が、翌年に何らかの疾患を訴えていたことを明らかにしました。この研究手法はライフイベント法とも呼ばれており、その後、多くの追試や適用もなされており、ストレッサーを測定するための手法として高く評価されています。

≪社会的再適応評価尺度 Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.≫

・1位:配偶者の死(100点)
・2位:離婚(73点)
・3位:夫婦の別居(65点)
・4位:拘留や懲役刑(63点)
・5位:家族の死(63点)
・6位:自分の病気(53点)
・7位:結婚(50点)
・8位:失業(47点)
・9位:婚姻上の和解(45点)
・10位:退職(45点)
・11位:家族の病気(44点)
・12位:妊娠(40点)
・13位:性の悩み(39点)
・14位:新しい家族の増加(39点)
・15位:転職(39点)
・16位:経済状態の変化(38点)
・17位:親友の死(37点)
・18位:職場の配転(36点)
・19位:夫婦喧嘩(35点)
・20位:1万ドル以上の借金(31点)
・21位:担保・貸付金の損失(30点)
・22位:職場での責任変化(29点)
・23位:子供の独立(29点)
・24位:親戚とのトラブル(29点)
・25位:自分の輝かしい成功(28点)
・26位:妻の転職・離職(26点)
・27位:入学・卒業・退学(26点)
・28位:生活の変化(25点)
・29位:習慣の変化(24点)
・30位:上司とのトラブル(23点)
・31位:労働時間・条件の変化(20点)
・32位:転居(20点)
・33位:転校(20点)
・34位:趣味やレジャーの変化(19点)
・35位:宗教活動の変化(19点)
・36位:社会活動の変化(18点)
・37位:1万ドル以下の借金(17点)
・38位:睡眠習慣の変化(16点)
・39位:家族団欒の変化(15点)
・40位:食習慣の変化(15点)
・41位:長期休暇(13点)
・42位:クリスマス(12点)
・43位:軽度の法律違反(11点)

 

上に記した社会的再適応評価尺度は自己評価にて過去1年間に自身に起こったライフイベントをチェックして合計点を算出します.その点数により1年後までに健康障害(身体・精神)を生じる危険性を予測できます。

元々、この尺度は医療、福祉の患者を対象に作成されましたが、昨今は一般企業でメンタルヘルス対策として使用されることもあります。皆さんも過去1年間に自分に起こったライフイベントをチェックして合計点を算出してみましょう。

1年間の合計点数が 300 点を突破した人のうち、79%は翌年に何らかの心身の不調を訴えたそうです。
200~299 点では、それが 51%に減り、150~199 点では 39%でした。
ストレスの蓄積が大きいほど心身の不調を訴えやすいということは明確になっています。
しかしホームズらが示したのはあくまでも平均値であり、実際は人によって、こうむるストレスの大きさ
が違ってくると述べています。

3.ストレス度表を考慮したライフイベントの変更

恐らく、このサイトに訪れてくださっている方のストレス度は高い点数でいらっしゃると思います。「自分の病気」だけでも53点あります。ここで、私が言いたのは、自分でコントロールできないライフイベントが多いのは承知していますが、自分でコントロール出来そうなライフイベントは重ならないようにしましょうということです。

例えば、私の話になりますが、、、

療養しながらも(ストレス度53点)、なんとか仕事をしていた。しかし再婚(ストレス度50点)に伴い、彼の住む町に転居(ストレス度20点)するので、これまでの職場を退職(ストレス度45点)。しかし、新しい職場が見つからない(失業 ストレス度47点)。そして、再度、自己都合で転居することに(ストレス度20点)

一年間の私のストレス度が235点でした。そして、私は体調が悪化したのです。この場合、色んなライフイベントを一年に集約し過ぎたのが体調悪化の要因と考えられます。

今ならば、

1.療養しながらも(ストレス度53点)、なんとか仕事をしていた。今後の再婚を見通し、彼の住む町と自分の家から近い所に就職(退職:45点、転職:39点)した。翌年、彼と再婚した。→合計 137点

2.療養しながらも(ストレス度53点)、なんとか仕事をしていた。彼の住む町から職場に通える距離のところに転居し(ストレス度20点)、再婚した(ストレス度50点)→合計 123点

3.療養しながらも(ストレス度53点)、なんとか仕事をしていた。再婚した(ストレス度50点)が、通い婚を何年かする。今後は転居を行う予定。→合計 103点

こういう風に考えられることが出来たのではないかと思います。勿論、どんな選択をしても、その人の決断なので、その判断を善悪で語ることは出来ません。結婚と共に転居したい、新しい職場に伴い転居したい等。しかし、ライフイベントが重ならないように注意することが私達は出来るのではないかと思います。

これまで転居をそんなに負担に感じたことがなかった方でも、療養を必要とする人には本当に負担になるイベントです。私も若い頃(看護学生時代)は、引っ越し屋さんのバイトをしていました。引っ越しが大好きで、自分の引っ越しも苦にはなりませんでした。しかし、色んなライフイベントが重なることで体調を崩す可能性が高くなります。どうか、自分でコントロールできるライフイベントは分散していきましょう。

では、今日はこの辺で失礼します。

このサイトが貴方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

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