もう一度考えようマイノリティとマジョリティ

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皆さんは映画は好きですか?私は映画が大好きで、先日は気になっていた『大怪獣のあとしまつ』を主人と二人で観に行ってきました。でも、どちらかというと大きな映画館で観る映画よりも、小さな映画館でしか上映されない自主映画が私は好きです。

ということで、今日は映画についてのお話になります。今日ご紹介する映画は自主映画で有名な入江富美子監督の処女作『1/4の奇跡~本当のことだから』です。

1.映画「1/4の奇跡~本当のことだから~」のご紹介

この映画は2007年の作品ですが、私がこの映画に初めて出会ったのは2011年の自主上映会でした。この時点で2011年作の入江富美子監督の『天からみれば』も自主上映されており、私は先に『天からみれば』を観て入江富美子監督のファンになり、すぐさま、後にこの『1/4の奇跡』を観に行きました。

この映画はドキュメンタリー映画で、石川県の特別支援学校(旧・養護学校)に勤務する、山元加津子先生、通称かっこちゃんと、多発性硬化症(以下MS)で中学2年生の雪江ちゃんが登場します。

雪江ちゃんは、MSで、脳の中のいろいろな場所が固くなって、目が見えにくくなったり、手足が動かしにくくなるという病気で難病を抱えています。

雪江ちゃんは、かっこちゃんに常々こう言ってました。

「私はMSになってよかったよ。MSになったからこそ、分かったことがいっぱいあるし、MSになったからこそ、今周りにいる人に出会えたよ。かっこちゃんに出会えたよ」

「もし、MSでなかったら、違ういろいろな人、素敵な人にも出会えたと思うけれど、私は今、周りにいる人がいい、かっこちゃんがいい、だからこれでよかった。目が見えなくなっても手足が動かなくなっても、人工呼吸器をつけないと息ができなくなったとしても、決してMSであることを後悔しないよ。MSの雪絵を丸ごと愛していくよ」

そうな風に言い切る雪江ちゃんを、かっこちゃんはなんて素敵だろうと思っていました。

しかし、ある日、雪絵ちゃんが「かっこちゃん疲れちゃった」と言いました。そのとき雪江ちゃんの体はほとんどが動かなくなっていたのです。

そして、雪江ちゃんは、かっこちゃんに「何かうれしくなるようなお話をして」と頼みます。そして、かっこちゃんはテレビで観て印象に残っていた話を雪江ちゃんに話し始めます。

2.どうして1/4?

かっこちゃんの話は、アフリカのとある村で大発生したマラリアの話しでした。
話の内容は、
昔、アフリカのある村で、マラリアという伝染病が猛威をふるい、村は壊滅的な打撃を受けてしまいます。しかし、どんなに伝染病がまん延しても、どんなに絶滅するほどの病死者が出ても、必ず生き残るグループがいました。
後年、そのメカニズムを調べようと、多くの研究者が、「生存者」本人から、その子孫にいたるまで、徹底的に調査を行いました。すると、一つの事実がわかったのです。
それは、マラリアが多く発生する地域では、ある一定の割合で、伝染病に強い突然変異遺伝子を持つ人(鎌状赤血球の遺伝子を持つ人)がいる、ということ。そして、伝染病に強い遺伝子を持つ人が生まれるとき、高い確率で、そのきょうだいに重い障がいを持つ人が現れる、ということ。そんなことがわかったのです。その確率は、4分の1。4人の子どもが生まれた場合、必ずそのうち1人は、成人前に亡くなってしまうような、重い障がいを持つことになります。
鎌状赤血球の遺伝
         図の引用元:遺伝疾患プラス
ここが、私はちょっと難しかったので上記の図で整理して説明してみます。
1.病気:(上記の図では左端の子供)
 鎌状赤血球の遺伝子を持ち、「鎌状赤血球貧血症」という病気を発症。
 時には亡くなるという障がいを持っ(1/4)
2.保因者:(上記の図の真ん中二人の子供)
 鎌状赤血球の保因者であるが、障がいを持たない(2/4)
3.健康:(上記の図の右端の子供)
 鎌状赤血球の遺伝子を持っておらず、障がいも持っていない(1/4)

実は、この障がいのない健康の人こそが、マラリアに感染して亡くなられたのだそうです

そして、上記の図で「病気」「保因者」となっている「鎌上赤血球」の遺伝子を引き継いでいる方が生き残りました(3/4)

また、1/4の鎌状赤血球貧血症の重い障がいを持った人達がいなければ、決してこの3/4の人達は生れてこないのです。

詳しくいうと、1/4障がいを持った人を引き受けてくれる人がいなかったら、決して障がいの無い人は生まれてこないということです。

なので、この1/4の障がいを持っている人達が、村を救ったという事になり、この映画のタイトルの1/4はそこからとられました。

3.かっこちゃんと雪江さんの約束

このアフリカの話をすると、雪江ちゃんはとても喜び
「私が病気であることにはそんなに大きな意味があったんだね。うれしいな」

「かっこちゃん、このことは私たちだけが知っていてはもったいないよ。みんなが大切なんだということが科学的にも証明された本当のことなんだということを世界中の人が当たり前に知っている世の中にかっこちゃんがしてほしい。お願い」

「人間はみんな違ってみんな大事、ということを世界中の人が当たり前に知っている世の中にして!」

そして、この言葉が雪江ちゃんの遺言となり、かっこちゃんはその約束を果たすべく、その後、積極的に全国で講演を行い、本も出版されています。

4.映画を観るには

「おい、猿桃、お前映画の内容全部言ったやろう」とお怒りの声が聞こえそうですが、これはあくまでも一部ですので、どうぞ映画をご覧になってください。感動で涙腺崩壊間違いないです。

これまでは、自主映画の上映会は自分で自主映画開催を申し込んだり、場所や日付やら人数を募ったりややこしいものでした。しかし、今は自宅でも観れるようになりました。

1.入江富美子監督のホームページから「映画を視聴する」をクリック

2.観たい映画をクリックし

3.paypalかクレジットカード払い(各映画、1,650円)

これで観れます。

また、他の「光彩〜ひかり〜の奇跡」(2008年)、「天から見れば」(2011年)も同じように観れますので、良かったら観てくださいくださいね。

5.おわりに

私は、2011年にこの映画に出会ってからずっと、かっこちゃんと雪江ちゃんのファンです。雪江ちゃんのように、障がいを持った自分を丸ごと愛するって素敵なことですよね。障がいを持つと、どうして私だけ?という思考に陥りやすいのですが、自分に与えられた天命をこの映画で考えさせられました。私も雪江ちゃんを見習って障がいを持った自分も愛していきたいと思います。

そして、最後に雪江ちゃんの願い(私の願いでもありますが)が叶いますように

人間はみんな違ってみんな大事、ということを世界中の人が当たり前に知っている世の中になりますように

 

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参考:
2.入江富美子オフィシャルサイト
3.山本加津子
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