3月30日は世界双極性障害デー

皆で笑顔双極性障害
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1.「双極性障害」とは

双極性障害

双極性障害は、躁状態とうつ状態をくりかえす病気です。躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害なのです。

「双極性障害」はかつて「躁うつ病」といわれていました。そのこともあってうつ病の一種と誤解されがちでしたが、実はこの二つは異なる病気で、治療も異なります。

本当は双極性障害であるにもかかわらず軽い躁状態に気づかず、うつ病と診断されている人も少なくありません。うつ病の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実は双極性障害だったということもあります。また、逆にうつ病であるのに症状が改善して元気さを取り戻したものを軽い躁状態と間違えられて、双極性障害と診断されている人も少なくありません。双極性障害の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実はうつ病だったということもあります。

躁とうつの症状が現れる間隔は数ヶ月だったり数年だったりいろいろです。躁状態から突然うつ状態へと切り替わることもあります。うつ状態しか経験したことがないと思っていても、病気とは思えないようなごく軽い躁状態を何度も経験していた、ということもあります。この場合も双極性障害に含まれます(私がそうでした)。一般に、躁状態の期間よりもうつ状態の期間のほうが長く続く傾向があります。

日本における双極性障害の患者さんの人数は、厚生労働省のサイトによると重症・軽症の双極性障害をあわせても人口の0.4~0.7%といわれています。1,000人に4~7人弱ということで、これは100人に10人弱といわれるうつ病に比べると頻度は少ないといえます。しかし、この病気の認知度は低く、専門医も少ないこともあり、私は世の中への啓蒙活動が必要と考えます。うつ病者の中には、まだまだ双極性障害の方がおられると考えています。

2.世界双極性障害デーとは

ゴッホの自画像を地面に書いた写真

3月30日は世界双極性障害デー(World Bipolar Day)です。これは2014年、国際双極性障害財団(IBPF)、国際双極性障害学会(ISBP)、およびアジア双極性障害ネットワーク(ANBP)により定められました。

何故3月30日なのかというと、ヴァン・ゴッホの誕生日であり、ゴッホがこの病気を患っていたという説もある
ために、この日が選ばれたのでした。

3.世界双極性障害デーはどんな目的で作られたのか

スティグマ

世界双極性障害デーは、双極性障害への理解を深め、社会的なスティグマをなくすために作られました。

双極性障害は、他の多くの病気と同じ身体の病気です。世間では心が弱いから病気になったと言われたり、私も「メンタルが弱い。あなたはもっと努力すべきだ」とも上司から言われたこともありました。

しかし、治療により双極性障害という病気は再発を予防することができます。実際に、多くの方々が、この病気とつきあいながら、社会で活躍しています(医師や薬剤師で病気を持ちながら活躍なさっておられる方がいます)。

双極性障害の日を通して、多くの人に双極性障害は身体の病気だと知ってもらえればと思います。そしてまた、障害を持つ人が、世の中に受け入れてもらい、障害を持っていても容易に仕事が出来きる社会システムになればと切に願います。

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